TOEIC®テスト600の意味
ここ数年、求人広告をみると英語要という条件が多くなっています。また就職、転職などを考えている方も面接などで英語について聞かれることが増えています。会社内でも昇進や人事査定にTOEICが盛り込まれている企業が増加しています。
昭和時代、輸出産業にかかわる業種や後半は金融業、平成時代に入ると通信、アパレルとその他多くの産業で英語が必要な状況になっています。文部科学省も数年前から小学生の必須科目に英語を組み込みました。
TOEICの得点そのものがコミュニケーション英会話力と比例の関係にあるとは必ずしも言うことはできませんが、TOEIC600点というのがどうやら履歴書に書けるひとつの英語力のものさしになっているのは疑いの余地のないところのようです。では600点とは何を意味しているのでしょうか?
もちろん英語の基礎力があるということに他なりませんが、(リスニング・語彙力・読解力・文法的知識)私が、研修会社で仕事をしていた時代、人事部、能力開発部や海外事業部などの担当者がよく言っていたのを覚えていますがTOEICの高得点者は、その他にも、例えば、仕事をしていく上での効率性を考えられるとか、集中力があるとか、情報収集力に優れているとか・・・TOEICの得点そのものが英語以外にも仕事などをやる上での人物評価につながると言っていました。それは多分、TOEICは、勉強の仕方、方法、期間、戦略などが仕事をする上で間接的に共通することがあるからだと思います。
勿論、業種や部署によってあまり英語の必要性のないところもありますが、この時代いつ転機が訪れるかわかりません。どうやらTOEIC600というのがビジネスマンの英語標準になっているのではないでしょうか。学生の皆さんもこれから就職活動をするのにTOEIC600~は武器になります。
この数字は英語があまり得意でない人には、大きな壁に見えますが、手順を踏んで学習を続ければ必ず到達、突破できる得点です。TOEIC 600~「英語ができる人」の仲間入りをしてみませんか。
TOEICは、990点満点ですが私の経験上、いくつかの壁があるようです。
Eランク | 10 ~220 |
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Dランク | 220~470 |
Cランク | 470~730 ※↑ |
Bランク | 730~860 |
Aランク | 860~990 |
※の部分までは勉強の手順・方法さへ間違えていなければ獲得できる得点だと私は考えています。
面白いことに600を越えて700といくとその上へとGameのようになる人が大勢いるのもTOEICの特徴かもしれません。とはいえまずは、英語が苦手という人はDランク脱却からはじまるのではないでしょうか。このレベルの方は、話す・聞く・書く・読む、どの部門もチンプンカンプン(わからない)だ、英語って何・・・と感じていると思います。英語と日本語は、文法も音もかなり違います。このレベルの方は、わからないことが何なのかわかることが重要です。動詞の変化のような文法なのか、それぞれの単語の意味なのか・・ひとつずつ丁寧にわからないところをわかるようにしていく。そして体系的に英語ってそうなっているのかと気が付いていくことです。Dランクも450前後になれば英語が日本語と大きく異なっていることがわかるようになってきます。(文型や表現方法など)基礎力をつけるための学習をすべきです。
C ランクに突入したら、TOEIC独特の問題形式やテクニックなどを学習していくのがよいでしょう。特にリスニングがこのレベルのポイントになります。Cランク後半からBランク(730)前後に大きな壁があるようです。英語が聞けるようになってきたのに速読ができないと気が付きます。単語力のなさを痛感します。ですからリスニングを継続していくのと同時に単語力強化が必要です。
Bランクも800を過ぎるとスコアが伸び悩みますが、ここは短期集中を何回か繰り返すことによりAランクの860以上をめざします。
しかしAランクの方は、かなりマニアックだと思います(語彙力ががぜん必要になってくる)。英語漬けの日々を一定期間送ったか、海外組かそんなところですが、私見ですがこのレベルの最上級者は、外国人と意見を戦わせられるぐらいの英会話力を持つべきだと考えます。コミュニケーション力が乏しくてTOEICの得点だけが高いではあまりにもバランスが悪すぎます。かなりの方がTOEIC高得点にこだわりまた実際それを取得していますが、何故かまだまだ、海外では日本人の顔が見えないと言われています。高得点者は、日本、日本人の魅力を発信する日本人になってください。お願いします。
- 基礎的英語力があることを客観的に示せる
- 仕事やその他で効率性、要領の良さ、情報取得能力がある程度備わっていることを示せる
- 履歴書に書ける(就職、転職に多少有利)
- 英会話をする上で上達が早い
- 英語に少なくとも自信を持てる
確かに誰でも600を獲得できるというのは眉唾ではないかと思う人もいるでしょう。英語について何もわからない、忘れてしまっているから無理だと思う人もいるでしょう。しかし鉄棒の逆上がりを例にして説明します。
小学生の頃、逆上がりができない人が先生に練習をすれば誰でもできるようになるといわれたとします。この先生がよい先生なら、できない原因をさがします。生徒に根性論で練習をひたすらやらせるのではなく、どうして逆上がりができないのか、その要因はなんなのか考えます。
精神的なこと | 鉄棒を怖がっている場合は、恐怖心を取り除くための仕掛けが必要 もともとやる気がない(motivationの問題) 苦手意識がある場合は、なぜ苦手と思うか話し合う。 |
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肉体的なこと | 身体を支えるだけの腕の力がない 太っているため重さに耐えられない 足の力がないためけり上げがうまくいかない |
技術的なこと | 手首の返し方ができない タイミングがとれない 正しいフォームでない 力のいれ具合が悪い |
様々な原因を分析し、その生徒にあった練習方法をプログラムすることで効率よく、安全にまた楽しく成し遂げることができる。その人の性格さへも時には把握する必要があるのです。
TOEICもまさに同じで、Motivation、Technical matter、Handling pressureなど600に届かない要因を分析し、プログラムを作成し、また受験者がアドバイスを受け入れていけば必ず600は達成できると考えています。
中上級者の730~となると若干センスが必要になってくると思います。それでも粘り強く継続して弱点克服をしていく人はこの壁も突破していけます。